秋を先取り:季節感を引き出す花とアレンジのコツ・自由が丘 フラワーアレンジメント 教室
- はじめに: お盆を過ぎると秋の気分
お盆が過ぎると、
自然と秋の気配を感じ始めます。
暑い日が続いていたとしても、
日が少しずつ短くなり、
風の中に少しずつ秋の冷たさが混じり始めると、
秋が近づいていることを感じさせてくれます。
日本では、季節の移り変わりが美しく表れるため、
そうした変化に敏感になるのは当然のこと。 - 夏の延長と秋物のお洋服事情
しかし、近年は夏の期間が長くなり、
秋物のお洋服の販売が遅れるという現象が見られます。
ニュースでも話題になっているように、
秋のセール期間も後ろ倒しになることが多く、
商業施設によってはセールがずっと続くという状況もあります。
これにより、消費者は常にお得に買い物ができる一方で、
季節感を楽しむタイミングが少しずつずれていくのかもしれません。 - お着物と季節感: 先取りの美学
お洋服とは異なり、
お着物の世界では季節感が非常に重要視されます。
着物の柄は、その季節を少し先取りすることが
美徳とされています。
例えば、桜が散った後の5月に桜の柄を着るのは、
マナー違反とまでは言えませんが、
やはり粋ではないと感じられることが多いです。
その一方で、梅雨前の5月にアジサイの柄を着るのは、
季節の先取りとして素晴らしいとされています。
着物の世界では、このように季節を少し早めに取り入れることで、
洗練された美意識を表現することができます。 - お花の世界と季節の先取り
お花の世界でも、季節の先取りが基本となります。
季節感を反映させたお花を選ぶことで、
その時期ならではの美しさを引き出すことができます。
お着物と同じように、
季節を少し先取りしてお花を飾ることで、
洗練された空間を演出することができます。
特に、お着物の柄とお花が調和するようなアレンジメントは、
和の美意識をより一層引き立てることができるでしょう。 - 秋らしいお花の選び方
秋らしいお花を選ぶ際には、
まず日本の季節感を意識することが大切です。
日本の四季がもたらす美しさを最大限に引き出すためには、
その季節にふさわしいお花を選ぶことが重要です。
秋を代表するお花として、以下のような種類があります。
コスモス: 細長い茎と繊細な花びらが特徴で、秋の澄んだ空気にぴったりの清楚な美しさを持っています。白、ピンク、赤など、色のバリエーションが豊富で、秋の風情を感じさせる花です。
チョコレートコスモス: 深い茶色の花びらが特徴で、その色合いが秋の落ち着いた雰囲気を演出します。少しの量でも強い印象を与えるため、アクセントとして使うのに適しています。
ワレモコウ: 細長い茎に、小さな赤紫色の花が密集して咲く植物で、その姿が秋の寂しさを象徴するような趣を持っています。和風のアレンジメントによく使われます。
しかし、これらの和花は単体で生けると、
どうしても和の印象が強くなりがちです。
特に、洋式のパーティーや現代的な空間で使用する場合、
和風のイメージを避けるのが
難しいことがあります。
そのため、秋のお花にこだわりすぎず、
秋色を意識したアレンジメントを考えることが重要です。 - 秋色を意識したアレンジの工夫
秋の雰囲気を表現するためには、
必ずしも秋のお花にこだわる必要はありません。
むしろ、秋色を意識したアレンジメントを取り入れることで、
季節感を効果的に演出することができます。
例えば、深い赤やオレンジ、ブラウン、ゴールドといった
秋色を取り入れることで、
和洋を問わず、どのような空間にも
秋らしさを加えることができます。
秋色を意識したアレンジメントには、以下のようなお花が適しています。
ヒペリカム: 赤やオレンジの実が特徴的で、秋の色合いを強調します。特に、グリーンとのコントラストが美しいです。
ケイトウ: 鶏冠に似た独特の形状が魅力で、深い色合いが秋の雰囲気を引き立てます。赤、黄、オレンジなどの色があり、華やかさをプラスします。
パンパスグラス: 柔らかい穂が風に揺れる姿は、秋の静けさを感じさせます。高さを出したいアレンジメントにぴったりです。
ピラミッドアジサイ・秋色アジサイ: 紫陽花は一年中楽しめるお花ですが、特に秋には色合いが深まり、シックな雰囲気を作り出します。秋色アジサイはその名の通り、秋に最適なカラーリングです。
ダリア: ダリアは種類が豊富で、秋に合った深い色の品種を選ぶことで、持ちが悪くても存在感を放ちます。大輪のダリアは特に印象的です。
大輪マム: 菊の一種で、大きな花が秋の華やかさを表現します。古典的な和の雰囲気だけでなく、モダンなアレンジにも使えます。
ワレモコウ: 秋の静かな風景を思い起こさせるお花で、和のテイストを加えるのに最適です。
リンドウ: 白いリンドウは清潔感があり、秋の涼しさを感じさせます。細かく切って使うことで、アクセントとしても活用できます。
ネリネ: 白いネリネは、上品で清潔な印象を与え、秋のアレンジメントにぴったりです。
サンキライ: 秋の実物として使うことで、季節感を加えることができます。バラの実は扱いにくいかもしれませんが、サンキライの実はアレンジに柔軟に使えます。
ビバーナムティナス: 青い実が特徴で、秋の色彩を引き立てます。シックなアレンジメントに最適です。
シンフォリカルフォス: 白い実がたくさんつく植物で、秋の爽やかさを演出します。
- 秋の花の仕入れの難しさ
秋のお花の仕入れには、
独特の難しさがあります。
まず、花の価格が高いことが大きな理由です。
近年では、円安やコスト、燃料の高騰が影響し、
一年中花の価格が高騰しています。
特に、夏の異常な暑さや台風の影響で、
秋の花の価格がさらに上昇することが多く、
これが仕入れを困難にしています。
さらに、秋の花は暑さが続くと持ちが悪くなり、
品質も低下しやすいです。
このため、ウェディングパーティーやイベントで
使用する花の選定や仕入れは、
非常に慎重に行う必要があります。 - レストランウェディングと秋の花
レストランウェディングの仕事をしていた時、
特に秋の花の仕入れには苦労しました。
夏を乗り越え、ようやく涼しい秋が訪れると、
ウェディングパーティーの件数が一気に増加します。
しかし、その時期は花の価格が高騰し、
さらに花の品質や量を確保することが難しくなります。
特に、カサブランカが大人気だった頃は、
その需要が非常に高く、
市場での競り合いが激しかったことを覚えています。 - セリ場での仕入れ競争の思い出
カサブランカが市場に出回ったとき、
ある大手の花屋さんがそのほとんどを買い占めたことがありました。
せりは、高値から始まって
自分の欲しい価格でボタンを押すのですが
高値で出た途端に
全て買っていくのです。
これには、みんな目が飛び出て
逆に拍手喝采で気持ちよかったです。
当時、PCの仕入れシステムが普及しておらず、
実際に競り場で花を仕入れる必要があったため、
その競り合いの緊張感は今でも忘れられません。
母の日の翌日に、カーネーションが売れ残り
せり人が
「この農家さんだって真面目に働いているんだよ!
誰か買って!」
などと大声で言って、
安値で大量に販売されることもありましたが、
その時の仕入れの難しさと、
商売の厳しさを改めて感じました。 - 終わりに: 秋を迎える心構え
秋の仕入れは毎年困難を伴いますが、
それだけに気を引き締めて臨むことが大切です。
秋が深まるとともに、
自然の美しさを最大限に引き出すためには、
慎重な選択と準備が必要です。
今年の秋も、暑さに油断せず、
しっかりと準備をして美しい花々をお届けしたいと思います。 - 東京卸売市場の休業期間
ちなみに、2024年の東京卸売市場は
8月14日(水)から8月18日(日)までお休みです。
この期間、多くの個人の花屋さんもお休みになるでしょう。
お花を扱う仕事に携わる皆さんにとって、
この機会をリフレッシュに活用していただければと思います。
次にお花を買うのは来週の月曜日がおすすめです。
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